【今日の竜馬】竜馬の最後を看取った愛刀

竜馬の愛刀といえば名刀『吉行』。切れ味抜群の坂本家の家宝の刀を竜馬が欲しがるのも無理はない。その入手方法は、小説などでは次姉お栄脱藩時に与えたことになっているが、その事実はないらしい。その真相は……

 龍馬は慶応2年12月、先祖のものを持って死に臨みたいと手紙を書いて、『吉行』を兄権平に頼んでゆずりうけた、というのが真相だ(な〜んだ!?単純!)。
 その『吉行』の入手ルートは、西郷隆盛がたまたま山内容堂と会うため土佐を訪れており、権平は、このとき西郷に、この刀を竜馬に渡すように頼んだ。西郷は中岡慎太郎らに頼んで龍馬に届けたということらしい。
 竜馬は、慶応3年3月頃からこの刀を大切にもっていて、その喜びを慶応3年6月24日、兄権平宛ての手紙にも「京都の刀剣家も褒めてくれる」と伝えている。

 この刀は暗殺された時も、床の間にあり、龍馬はそれを取って応戦。鞘をはらう間もなく相手の刀を鞘で受けた。その後、敵の刀の先が龍馬の額を切り、龍馬はこの吉行もって息絶えたといわれている。

(写真は『吉行』。鞘はのちにつくられたもの。※写真は削除しました)