ふたりの?龍?を回想する

『青雲の志 龍馬回想』
森田恭二著 1050円

 竜馬と河田小龍のふたりにスポットを当てた本だ。著者は小龍の子孫に当たることから、竜馬と小龍の本を出すきっかけとなっている。
 小龍は、漂流のためアメリカに渡ったジョン・万次郎を取り調べて、『漂巽紀略(ひょうそんきりゃく)』という書物を書いた人物。このふたりの足跡を追って、高知や長崎、下関、京都などを訪ね、多数の文献史料を使い、幕末志士たちの人物を回想している。

 竜馬は土佐にいた小龍の話しを聞いてから海外の国々や、船に興味を持ったといわれている。いわば、竜馬のスケールの大きい思想の大元は小龍にあるともいえる。