【今日の竜馬】竜馬、上海に行く!?

コミックの『お〜い!竜馬』では、竜馬が上海に行くというシーンがあるが、竜馬は海外に行ったことがあるのだろうか?

 結論からいうと、可能性は0ではない!
 長府藩尊皇攘夷派である「報国隊」の軍監・福原和勝と竜馬が外勢をさぐるために上海に渡航したという記録がある。徳富蘇峰『近世日本国史明治天皇御宇史北越戦争篇』(昭和19年・明治書院)、橋本昌樹『田原坂(昭和47年・中央公論社)、藤田武男『長府藩花神群』 (昭和61年・長府博物館友の会)などに見られる。
 新しいところでは、歴史別冊読本「土佐の風雲児 坂本龍馬(1989年8月発行)に、歴史研究家の一坂太郎氏が「龍馬『上海密航』の謎」を書いている。同氏は『明治維新人名辞典』(昭和56年・吉川弘文館)で福原和勝を調べた時、次のような記述を発見した。
『(慶応)三年赤間関番役兼内用掛を命ぜられ、のち内命により坂本竜馬と共に清国上海に渡航して外勢を視察した』
 どうやら、これまでの竜馬の上海渡航は、このときの記録から考察したものだろう。長州藩の記録なのか福原の記録なのかはよくわからない(ご存知の方は訂正してくださいm(_ _)m)。
 
 慶応3年の龍馬の年譜では、10日程度の空白はたくさんある。文久3年に井上馨伊藤博文が横浜から上海まで4日かかっているので、10日あれば下関と上海を往復できるはずで、可能性はないとはいえない。
 ちなみに『お〜い!竜馬』の設定では文久2年の夏の脱藩後の2ケ月間の空白を使ったものなので、上記の期間とは違う。どちらにしても、竜馬が海外に行ってなにかを見てきたと思うとワクワクするものがあるねぇ〜
(写真は福原和勝)