【今日の竜馬は?】一翁の手紙を持って春嶽の元へ

●竜馬、29歳、文久三年(1863年)4月3日
 大久保一翁から手紙をたくされ京都(あるいは福井)の松平春嶽のもとへ旅立った。

 前年の文久2年12月5日、竜馬は前越前藩主の春嶽に拝謁している。越前藩の『続夢記事』によると同行したのは近藤長次郎間崎哲馬だ。間崎は山内容堂の信任も厚く、藩の大監察・小南五郎右衛門とも通じていたため、間崎が竜馬と春嶽の橋渡しをしたのではないかといわれている。竜馬の目的は春嶽に尊攘論を述べ、勝海舟横井小楠への紹介状をもらう事だった。
このときの出会いから、一翁が竜馬に手紙をたくしたのではないだろうか。ただ、手紙の内容はよくわからない。もしかすると公議政体論大政奉還の話しかもしれない。春嶽は竜馬のことを気に入っていたようで、のちに脱藩の罪赦免など、何かと竜馬を気にかけてくれている。

 一介の脱藩浪人であった若者(竜馬)と会って話しをきいてくれるという春嶽という人物は並みの殿様ではない気がする。
(写真は松平春嶽)