【今日の竜馬は?】『船中八策』を書き上げる!

●竜馬33歳・慶応三年(1867年)6月12日●
・『兵庫に至り、途中「船中八策」を書き上げる
 いろは丸事件を解決した竜馬は、後藤象二郎
共に土佐藩船・夕顔で、長崎から兵庫へ向かった。
この船中で竜馬は、新しい国家体制について、
持論である大政奉還無血革命を実現のため
同乗の後藤に示した。これを海援隊文司の
岡謙吉
が書きとった。これが有名な『船中
八策』
だ。

 その内容は、幕府に政権を返上させ、天皇を中心とした統一国家を作るために
八つの条項を考えた。この大元は横井小楠の『国是七条』の思想で、内容
大政奉還論と、その後の政策案だった。

 船中八策
 一、大政奉還
 天下ノ政権ヲ朝廷ニ奉還セシメ、政令宜シク朝廷ヨリ出ヅベキ事。
 一、上下議政局
 上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議ニ
 決スベキ事。
 一、有材之人物登用
 有材ノ公卿諸侯及ビ天下ノ人材ヲ顧問ニ備ヘ官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有
 名無実ノ官ヲ除クベキ事。
 一、外国トノ交際
 外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新ニ至当ノ規約ヲ立ツベキ事。
 一、無窮ノ大典(憲法)撰定
 古来ノ律令ヲ折衷シ、新ニ無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事。
 一、海軍拡張
 海軍宜ク拡張スベキ事。
 一、御親兵帝都守衛
 御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守衛セシムベキ事。
 一、金銀物貨外国ト平等(対等条約)
 金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事。

 以上八策ハ方今天下ノ形成ヲ察シ、之ヲ宇内万国ニ徴スルニ、之を捨テ他ニ
 済時ノ急務アルナシ。荀クモ此政策ヲ断行セバ、皇運ヲ挽回シ、国勢ヲ拡張
 シ、万国ト並立スルモ亦敢テ難シトセズ。伏テ願ワクハ公明正大ノ道理ニ基
 キ、一大英断ヲ以テ天下ト更始一新セン。

 この策に賛同した後藤象二郎は14日に京都に入り、同夜遅くには藩論としてまとめ上げて、翌15日に成案を得た。そして10月3日には、是を基にした大政奉還の建白書が幕府に提出されることになる。しかし、竜馬は常に次のことを考えていたんだねぇ。
(写真は、土佐藩山内容堂が幕府に提出した大政奉還建白書の副書。内容は竜馬の船中八策を元にしたもの※写真は削除しました)