スパイだった海援隊士!?

幕府側の間者だったといわれる海援隊士がいる。

 それが、竹中与三郎(生没年不詳)だ。
 竹中は、神戸に隣接する小村二茶屋村の出身で、「鳴尾屋」を屋号に薬種業(茶商とも)を営んでいた。神戸海軍勝海舟塾時代から竜馬との交流が生まれ、その閉鎖後も交友をつづけた。
 竹中は幕府側のスパイだったらしく、慶応二年一月、竜馬の薩長同盟のため上京したさい、竜馬に近づき、買収した橋本久太夫(海援隊士)からえた情報を幕府へと報告している。この情報が寺田屋襲撃に繋がったとされる。また、寺田屋襲撃後も龍馬の動静を報知するため薩摩まで同行しようとしたと資料に残っている。
 ところが、その後金銭面で社中・海援隊を援助するようになり、太極丸の購入時には買主として名をつらねている。 竜馬没後、竜馬の仇討のため自ら天満屋への斬り込みを志願し、これに参加。手首を斬り落とされ、股部にも傷をおうなど満身創痍になりながらも奮戦ている。
 維新後、ともに天満屋へ斬り込んだ同志・加納宗七の事業を後援しているが、その後の消息は不明だ。

 スパイとして海援隊士になったが、どうやら竜馬に感化され本当の海援隊士になったようだ。う〜ん、いいエピソードだなぁ〜(笑)