「竜馬語録」(3)

 今回の震災による原発事故は、放射能の怖さを最も知っている日本人であるはずなのだが、化石エネルギー資源の少ない日本は経済優先の中で、原発を推進させてしまったツケを大自然から受けてしまったように感じる。はっきりしているのは原発安全神話は崩壊したと思わざる得ないだろう。人間の想定できる範疇は都合のよい妄想であったのかもしれない。今すべきは被災した方々のケアと被災地の復興であることは云うまでもないが、将来の原発のあり方を日本人や世界の人々が考える時が来たように思う。個人的には、原発に頼らない自然エネルギーを活用する技術をより推進して、国民すべてがそのために我慢し乗り越えてゆくことが必要だと思う。その決断は今しかないと思うのだが……。

 今回の「竜馬語録」は、
「願わくは、公明正大の道理に基づいて、一大英断をもって、天下を更始一新せん。」
 もちろんこの場合の「天下を更始一新」というのは「維新」のことだと思われ、「公明正大の道理」は武士だけでなく万人が望むことを指しているといえるだろう。つまりは民主的な国家を築こうとする竜馬の思想がみえる。結局は、当時の指導者たちでは、一歩先を行く竜馬の理想がすぐに実現することはなかったのだが……。

【それにしても、この竜馬の言葉は、まさに「原発」についても云えることではないだろうか。原発開発に注ぎ込んだこれまでの税金や各電力企業の費用は、国家予算並み(以上!?)だろうし、原発の開発や運営に従事している多くの人たちは、そう簡単に方向転換することは難しいだろう。だが、遠い将来を見据えると、ここに「公明正大な道理」があるように思う。今が推進派も反対派も真剣に将来を考えてみる格好の機会だと思う。(竜馬と関係ない文章になって申し訳ない<(_ _)>)】