【今日の竜馬】竜馬はナギナタの免許皆伝!?

江戸に出てきた竜馬は北辰一刀流千葉定吉の桶町の「小千葉道場」で剣術修行をした。安政五年一月に目録を伝授されている。この目録を従来、一般的には「剣術の免許皆伝」だと思われている。だが、この目録はよくテレビの時代劇の姫とか女中がやっている?薙刀(ナギナタ)?目録だった!
 
 竜馬が手にした目録は『北辰一刀流長刀兵法目録』で、この?長刀?というのが、薙刀のこと。しかも、北辰一刀流には「初目録」・「中目録免許」・「大目録皆伝」の三段階に別れた伝位形式があるが、この目録は最初の「初目録」だった。竜馬の剣術の力量がたいしたことはなかったのかというと、道場の塾頭までやっていたということなので、かなりの腕前だったことはたしかだ。

 では、なぜ薙刀だったのだろうか? これは憶測なのだが、竜馬は日根野道場のときのように熱心ではなかったのではないだろうか。今でも大学進学などで地方から東京へ出てきて生活に慣れてくると、遊びやほかのことに夢中になるもの。若い竜馬は、それなりに遊んでいたのではないかと思う。それでも剣術の力量はあるので、道場では一目おかれる存在だった。それで、剣術ではなく「薙刀の目録」となったのではないか。あるいは高知の実家の面目を考えての目録ということもありえる。
(写真は左/原吉雄 右/坂本龍馬!?ではないかといわれている。 百々主計の撮影で場所は丸亀・文久元年十月に撮影された)