【今日の竜馬】竜馬の謎の手紙!?

■竜馬の手紙の中に一通の謎の手紙がある。それは、竜馬の初恋の相手ともいわれている平井加尾あての手紙だ。

　【文久元年九月十三日付平井加尾宛書簡】
先ず先ず御無事と存じ上げ候。天下の時勢切迫致し候に付、
　一、高マチ袴
　一、ブツサキ羽織
　一、宗十郎頭巾
外に細き大小一腰各々一ツ、御用意あり度存上候。
　加尾は土佐勤王党の平井収二郎の妹で、生まれは天保九年、竜馬とは３歳の年の差がある。
　加尾は竜馬の姉乙女と一絃琴の稽古仲間であったことから、竜馬とは幼馴染みともいえる仲であった。当時の加尾は安政六年、山内容堂の妹友姫が三条実美の兄公睦に嫁したさい、その御付役として上洛し、三条家に仕えていた。そんな状況の中で加尾宛に竜馬は上のような手紙を送ったわけだ。
　で、加尾の方も、そのとおりの用意をしていたと、後年『涙痕録』(立志社の某社員に語った聞き書き)の中で語っている。

　細身の大小を用意しろというのは、加尾に高まち袴、ぶっさき羽織を着用させ、宗十郎頭巾で顔をかくして男装させようとしていたのだろう。単に竜馬が京都が物騒な街になっているので、加尾の身を案じたともいえるが、男装して京都御所か、所司代などの探索することを要求したのではないかとみる歴史家もいる。

　結局、竜馬は加尾のところへは姿を現さずにいたため、事の真相はわからない。でも後者なら危険な役目をしようとした加尾の健気さにはちょっとグッとくるものがある。ドラマの中のエピソードとしては最高のネタだ(笑)。
(写真は平井収二郎生誕の地、当然加尾が生まれた地でもある。高知市山手町のＪＲ山手踏切近くにある※写真は削除しました)