【今日の竜馬】竜馬と慎太郎の最期を見た少年

■慶応3年11月15日、近江屋二階の竜馬と慎太郎の生きているふたりの最期の姿を見たのは、この少年だった。

 それは、菊屋峰吉(1851年〜1916年、別名:鹿野安兵衛)で、京都の土佐藩御用達の書店菊屋の長男として生まれている。竜馬や中岡慎太郎から「峰や、峰や」と呼ばれて可愛がられていた。元々は中岡が菊屋に下宿するようになってから峰吉は中岡や竜馬を慕った。
 ときには竜馬の依頼で団子売りに変装しては新選組屯所の偵察を行なったこともあるという。
 竜馬と中岡が暗殺される夜には、中岡から頼まれた使いを終えて、近江屋に来ていたが、再び竜馬から軍鶏を買う使いを頼まれたため難をまぬがれた(いつも買いに行っていた近所の店が休みでさらに遠い木屋町四条南入ルの『鳥新』まで行っていた)。近江屋に戻ったところで暗殺を知り、裸馬に飛び乗って土佐藩邸や白河陸援隊屯所に急を知らせるなど活躍している。
 維新後、東京で元五十人組総頭だった宮川助五郎に出会い、さらに病気で没した宮川の遺骨を霊山に分骨などしている(なんかパシリっぽいことばっかりしてる笑)。明治10年西南戦争では熊本鎮台司令長官谷守部の知遇を得て会計軍夫として従軍している。大正7年3月20日没。享年66歳。
 
 なんか峰吉少年がうらやましいと思うのは、私だけだろうか!? 時代の目撃者のひとりには違いない。