【今日の竜馬】竜馬を叱り付けた外国人!?

■幕末、開国されると外国人が多数来日した。もっとも必要とされたのが通訳である。そのひとりに竜馬は怒鳴られたことがある……

 その外国人がアーネスト・M・サトウ(1843年〜1929年 別名:佐藤愛之助)だ。サトウは、イギリス出身。ロンドンはクランプトンに生まれている。ユニバーシティ・カレッジで学んだのち1862年に通訳生として横浜に来た。日本語をサミュエル・ブラウンから学び、江戸弁や会津弁、候文の読む書きが出来るまでに上達したという。幕末期には西郷隆盛桂小五郎後藤象二郎らと深くつきあっていた。1872年に内縁の妻・武田兼と所帯を持ち、後に長男栄太郎、次男久吉に恵まれる(武田久吉尾瀬を初めて紹介した人物)。
 竜馬とはイカルス号事件のさいに夕顔丸船中にて対面しているが、そのときの竜馬の印象は、ものすごく悪いものであったらしい。竜馬が、事件における容疑者の姓名を混同して語ったサトウの言い分を笑ったために、サトウは怒り出し竜馬を怒鳴りつけた。サトウは竜馬のこのときの様子を「悪魔のようなおそろしい顔つきをして黙り込んでしまった」と云っている。
 1869年にイギリスへ帰国して『一外交官の見た明治維新』をまとめ、1929年に故郷の小さな村にて死去している。享年86歳。

 竜馬との出会いは夕顔丸の船中だけだったようだ。しかし、外国人に対しても竜馬は対等に渡り合っていたという印象をこの話しだけでも感じる。