【今日の竜馬は?】竜馬、中江兆民少年と出会う

●竜馬33歳・慶応三年(1867年)6月8日●
・『中江某に出会う』

 この日、竜馬は岩崎弥太郎と同行している。『
崎弥太郎御用日記』によると、「八日 薩州邸へ
容堂様(中略)、智鏡院様(中略)之御書を持参、
中江某に相渡。」
とある。この中江某は、中江兆民
だといわれている。
中江は?予は当時少年なりしも、彼を見て何とな
くエラキ人なりと信ぜるが故に、彼が純然たる土佐
訛りの方言もて、「中江のニイさん煙草を買ふてき
てオーセ」などと命ぜらるれば、快然として使いせ
しこと屡々なりき。彼の眼は細くして其額は梅毒の
為め抜上がり居たりきと
。?と『兆民先生』(幸徳秋
著)の中にある。

 兆民は自由民権運動の原点といわれる思想家、政治家。もっぱら筆によって闘ったといわれる。兆民がこのとき、少しハゲ上がった竜馬の額を見て、梅毒では!?と思ったために後世、「竜馬は梅毒だった!?」という逸話になってしまう。現在ではこの梅毒説は否定されている。
(写真は中江兆民)